【9本目 追掛】
《意義》
前方を行く敵に追いすがりざま、討ち取る技。
《動作》
早足にて追いかけ、左足より六歩目の右足を右手後方に出しながら抜刀して敵の左前方から胴に払い付け、左足を引き付け、右足を出してその顔を斬る。
又は、敵の上腕と共に胸部を撫で切りにする場合もある。
その時、相手の状況によって対応する。
《動作》
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腰を落とした状態で、小走りにて前方の敵を追いかける
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左手にて鯉口を握り、鞘を左前方に出しながら水平に傾けていく。
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右手にて柄を軽く握り、押し出す要領で徐々に抜刀していく。
同時に、左手にて柄を引き、刀を抜き払う。
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右足を大きく踏み出しながら、最大速で抜刀し、正面敵の胴を水平に斬る。
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斬った後、刀を斜め右の位置で止める。一瞬体は少し左向きとなり力を入れるが、
力を抜き、体はすぐさま正面を向く(抜きつけ)。
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次に、右手の力を緩め刀を左下に垂らしながら、右手を自分の頭前方に上げる。
(左側が刀、右側が右手の三角屋根を作る)
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右手の位置を固定し、左足を出しながら、刀と右手で作った三角屋根の下をくぐる。
(その結果、上段に振りかぶった状態になる)
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(先ほどの抜き打ちで後に後退した前敵に対して)
右足を大きく踏み出しながら、上段の状態から刀を振り下ろしながら左手は柄を迎えに行く。
そして、正面から前敵を切りつける(斬り伏せ)。
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斬った後、刀を水平に保ち、腰を充分落とすと共に、右足は前を向き左足は真横を向く。右足の線上に左足の踵がある撞木足となる。
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視線及び刀は倒れた相手に向け残心を保ちながら、左足を右足に近づけ体を起こす。
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右足をぐっと後に下げ、つま先を左後方を向け、体を右に転回する。
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切先は倒れた相手に向け残心を保ちながら、刀は両手を腹の前で交差させる。
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左手を柄から離し、刀の棟を親指と人差し指で挟み、鍔元から切先迄指で拭う。
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左手で切先を挟んだ状態で右手を持ち替える。
右手を外に向け、人差し指と中指で柄を挟み、刀を右回りに大きく回転させる。
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回転した刀を鯉口で受け止め、鞘を前に出しながら納刀していく。
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納刀が終わってもなお残心を保ち、正面を向く。
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正面を向いた状態で5歩下がり、元の位置に戻る。
《注意事項》
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追い掛け始めてから敵を斬るまで、腰の高さは一定に保つこと。
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残心では、常に「視線及び切先は倒れた相手に向け」、「いつでも反撃出来る体勢を保っておく」事。
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追掛の場合、動作は素早く行う事。
【動画編】
追掛(MP4形式の動画です。)
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