正面に対して斜め左向き(約45°)になり、両足を揃えてしゃがみ、左膝は地に付き、右膝は右腿が水平になるよう浮かしている。左手は鯉口を、右手は右膝の上に置き、眼は正面の敵の方に注ぐ。
右手にて左襟を正すようにしながら、柄にかけて待つ。左手は鯉口を水平に向けている。
間合いを計って瞬間飛び退がりざま、水平に前敵の脛に払い付ける。この時、両足を開き、両膝を充分に外に曲げて立つ。
次に、左足を右足に引き付けるようにして、ややその前に出しながら、右手にて体の左側で刀を一旋してふりかぶり、右足を左足の前に踏み出して正中一文字(気合エイッ)
次に、体の向きを右に転回する為に、右足を大きく一歩左足の右を通って後に引き(両膝の屈曲度を全く同じ程度にすること)、両手は胸のやや下(帯の少し上位)で交叉するようにして、水平に刀を保持し、視線は死骸を見つめ、左手は柄から離してはばき元から切先を拭い、右手の人差指を柄の下側へ廻し、右手の指で柄を時計廻りにこねて回転して、左手にて鞘を引き出し鯉口を横にし、刀身の1/3の部を指に挟み納刀する。
次に、右手を右膝上部に帰し、顔は死骸を注視する。ついで右足を左足の右側に踏み出しながら正面の位置に戻る。
※
右手にて左襟を正す動作は心を静め、気を整える意味合いがある。
【現在の”岩浪の剣”】
「岩浪の剣」は”
前方より斬りかかろうとする敵に対し、低い姿勢を保ちながら飛び退がりざまに、敵の足の脛をなぎ払い、つづいて前進してその頭を斬る”と伝えられてきたが、現在伝えられているのは、下記写真のような”前方より斬りかかろうとする敵に対し、上体を前に起しながら抜刀し敵の胴を払い、つづいて前進してその頭を斬る”となっている。
正面に対して斜め左向き(約45°)
になった状態
右手にて左襟を正すようにしながら、
柄にかけて待つ
右手にて柄に手を掛け
抜刀の動作に入る瞬間
抜刀の動作に入り始めたところ
上体を前に起しながら抜刀の動作に入る
水平に抜き放った状態
刀を体の左側に一旋して
頭上に振りかぶる状態
正中一文字にて相手を斬る
体の向きを右に転回する
左手は柄から離してはばき元から切先を拭い、
血振りを行う
刀身の1/3の部を指に挟み納刀する